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第4回 方向オンチに効く地図
今回は方向オンチに効く地図について、エッセイ風に綴ってみました。
多少は誰もが道に迷ったり、方角を間違えたりしたことがあると思います。ただ、それが頻繁な人と殆ど無い人との違いは何なんでしょう。ちょっと真面目な視点も交え、考えてみましょう。

迷う人と迷わない人の視覚
以前、某住宅地図メーカーが協力してのTV番組で「方向オンチ」な人とそうでない人の視点を調査した、興味深い番組がありました。「迷走」という言葉があるように、迷ってしまう人が続出したのですが、方向感覚のある人の目線は目標物となる建物や看板を的確に捉え、方向オンチの人の目線は不安定にあちこち動いていて焦点が合っていませんでした。

方向オンチとは一体何なのか。人間は生活環境や経験の差により、カラダの中に「認知地図」を描いて行動します。体感的に生活範囲の情報をこの認知地図で憶えているのです。ただ、この憶え方には人それぞれに違いがあるようで、ある人は目標物となるものを「○○商店」「○○郵便局」と具体的な名前で憶え、ある人は同じ目標物を「赤い看板のお店」「郵便局」とイメージで憶えています。

同じ対象物でも憶え方に違いが生じる訳ですから、目標物ということになると千差万別、パチンコ好きな人は町内のパチンコ店を中心に地図を想像し、タバコの好きな人は自販機やタバコ屋のある場所で憶えている…という具合です。

一般的に方向オンチの気配がある人は目標物をイメージで捉えることが多く、「角の△□商店を目印に来てね」と言われても、△□商店が思い描くイメージと合致しないと、見落としたり視覚に入らないことになります。それで認知するまでに迷ったり探したりで時間が経ちます。
同じイメージで憶えても、興味ある対象物であれば強烈に憶えているので、方向さえ間違わなければ迷わないこともあります。
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男性と女性でも違う感覚メカニズム
男性と女性で比べると、女性に方向感覚が少ない人が多いのは、元々男性と女性では場所や位置関係を把握するメカニズムが違っているのではないかと、最近の専門家の調査では言われています。最近翻訳がなされたドリーン・キムラの本「性と認知」に、方向音痴のメカニズムのヒントがありました。

引用:
げっ歯類のネズミなどを対象とした研究によれば、発達のごく初期の段階でどのような性ホルモンにさらされたかによって空間能力のあり方が大きく変わるということが示されています。ネズミを対象とした迷路実験を行うと、オスはその実験室の部屋の形を手がかりにして迷路のルートを学習するのです。したがって、迷路の周囲にカーテンをめぐらせて、部屋の形や隅が見えないようにすると、オスのネズミの学習成績は低下します。それに対してメスのネズミは、部屋のなかにある絵や机などの目印の位置を手がかりに学習するようです。部屋の形をわからなくしても絵や机が見えている限りメスの成績は低下しません。このとき、発生直後に去勢され、男性ホルモン(アンドロゲン)が影響しないようにされたオスネズミは、メスと同じように目印を使うようになります。また、メスには出生直後に雄性化作用を持つエストロゲンを注射しました。すると、そのメスネズミは雄と同じような形状を手がかりとするようになったのです。

これはネズミで実験したものですが、性別で感覚や考え方が違うというのは、方向感覚だけではないので、当たらずも遠からずでおおよそ人間にも当てはまるように思います。
おんなの子はかわいいとかキレイなものが好きなのよ。

方向オンチに効く地図を考えよう!
さて、本題です。方向オンチに効く地図とはどんな地図でしょう?
簡単に言えば、ズバリ!カーナビゲーションの地図ということになってしまうのでしょうが、それでは面白くありません。町中に溢れるマーク形式のピクトグラムも頼りになりますが、地図の資料館的観点から言うと、イメージで表現したデフォルメ地図、即ちイラストマップや鳥瞰図などの絵地図ではないでしょうか。地図を視覚的に捉え、イメージで憶えてしまう能力は、これまでの話の逆説で言うと方向オンチの人の方が優れている、ということも言えます。インパクトのある地図、そう初三郎のような鳥瞰図なら案外迷わないのかもしれません。

そんな思いでイラストマップを見直すと、案外ヒントが詰まっていそうですね。
(文責:益田啓一郎)

読んでみると面白い!
・「方向オンチの科学」という本が出版されています。
http://www.onchi.org/
興味ある方は、読んでみるときっと面白いですよ。

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