オールド観光案内図コレクション/鹿児島県
皇祖発祥の聖地 鹿児島観光図「鹿児島市観光図」
前田虹映 画 鳥瞰図サイズ:650×175mm
発行:鹿児島市観光課・昭和15年・表面カラー刷/印刷折本




ヌ拡大図はこちら 大正広重と呼ばれた鳥瞰図絵師・吉田初三郎の高弟であった前田虹映の作。皇紀2600年を記念し、鹿児島市の依頼で制作。勇壮な桜島を前面に臨み発展する鹿児島市の繁栄ぶりを詳細に描く。日本画の世界から鳥瞰図絵師を目指しただけに、濃淡を使い分けた独自の日本画的画風が素晴らしい。虹映は弟子時代、10数人いた弟子の中でも名川朝太郎(のち吉田朝太郎)と並び初三郎の右腕と言われ支えた絵師である。昭和10年独立後は西日本各地の作品を残しているが、鹿児島県の作品は絵葉書も含めて多い。これは初三郎の弟子時代から師匠の代理として踏査取材に訪れていたことや、実際に多くの作品で彩色も担当していた事、また「薩摩義士」に関する執筆を初三郎の会社・観光社の発行物などで主筆として担当していた経緯もあると思われる。昭和11年、初三郎が画室を愛知犬山の蘇江画室から青森・種差へ移した事をきっかけに独立。郷里の山口県柳井市に近い九州の作品や、妻の出身地である香川県の作品が特に多い。この作品の肉筆画の所在を探索中である。

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