オールド観光案内図コレクション/福岡県

こくら「小倉市観光鳥瞰図」
(福岡県)吉田初三郎  鳥瞰図サイズ:750×180m(折り本・表紙)
発行:小倉市 戦前・表面カラー刷/裏面1色刷・昭和25年
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小倉市(現北九州市小倉北・南区)市政50周年を記念し小倉市役所が発行した鳥瞰図。作者は吉田初三郎で、鳥瞰図中の銘は「初三郎謹作」表記となっている。裏面には初三郎特有の「絵に添へて一筆」に代わる「画序」なる文が添えられ「濱田市長の懇嘱を拝して、日本再建の巻頭に颯爽燦爛と輝く、平和躍進の新しい、小倉市を謹筆の事、是に感慨禁じ難きものがあり、その今昔の足跡をかへり見る時、本国また、親しく小倉市文化記録の一部面を伝えて、後世の人文史上に少なからぬ興味を添える事と思うのである。」と記され、大変興味深い。
市街地の背後、福知山を仰ぐ貯水池周辺には「菅生の滝」も描かれている。三方を山に囲まれ、それぞれに平尾台、京都の大文字焼に対する「小文字焼」の小文字山や足立山、八幡との境に位置する帆柱山などがみえる。

また、市街地に目をやると、現在の西小倉駅は「小倉駅」の時代であり、小倉城址には現在復建されている天守閣はない。今年春、伊能忠敬の九州測量の起点でもあり長崎街道室町宿跡でもある室町地区は、リバーウォーク北九州として再開発され、北九州の芸術美術文化の拠点となった。この14階には地図マガジン「ラパン」を発刊してきたゼンリン「地図の資料館」も今年7月開館!

現小倉駅の位置には「豊楽園球場」が!このあたりも新小倉駅にはモノレールが乗り入れ、アジアインポートマートなど大型施設が林立する。戦前戦後の日本の工業地帯をリードし今は国際環境都市としても発展し続ける小倉を、53年前にこの作品を「謹作」として残した初三郎はどう思うだろうか(この鳥瞰図は平凡社刊「吉田初三郎のパノラマ地図」目録にも未記載のようです)。

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