地図って楽しい、地図って便利。リンクと取材で 目的別・用途別のあらゆる地図を集めました。 |
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鉄道地図で生きがいに出逢う
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このメルマガを読んでくれている人の中に、「鉄道地図」が好きだという 方は結構多いのではないだろうか。地図絡みの書籍を書かれる方は、必ず と言っていいほど「鉄道」をテーマにした執筆をされているので、諸先輩 方に敬意を払いつつ自身の楽しみ方として記すことにする。 2003年3月に亡くなられた宮脇俊三さんは、この分野の第一人者の一人だ った。数ある作品の中でも「廃線跡」シリーズは私も大好きで、様々な出版 社から出た編纂本を揃えて今も楽しんでいる。 私の生まれた大分県宇佐市と、育った福岡県豊前市。このエリアは江戸時 代には豊前国と呼ばれ、明治後半の私鉄開業ラッシュ時に多くの鉄道が敷 かれたエリアだ。わずか数十キロの域内に5つもの私鉄が走っていたこと になる。 全国的にも有名な耶馬渓と中津を結ぶ「耶馬渓鉄道」や宇佐神宮と今話題 の「昭和のまち」豊後高田を結んでいた「宇佐参宮鉄道」、生誕地の最寄 り駅だった豊前善光寺駅から院内へ延びていた「日出生鉄道=豊州鉄道」、 別府湾から国東半島へ伸びた「国東鉄道」そして、小学一年から18歳ま で暮らした豊前市の宇島駅から耶馬渓へ走っていた「宇島鉄道」。 この「宇島鉄道」を知ったことが、後の私の「地図」への興味の源となる。 今からわずか10年数年前、宮脇さんの「失われた鉄道を求めて」という 本が現在36歳の私のバイブルなのだ。この本を買った理由は、幼い中に も記憶として残っていた耶馬渓鉄道のことが載っていたから。 その中で『宇島鉄道』の文字を発見する。うん??このあたりにも鉄道が あったのか?すぐに周囲の大人たちに確認するが昭和11年に無くなった 鉄道を知る長老はなかなかいない。小さな町の図書館にも情報は無い。 ようやく当時のことを知る長老に出逢い、どの辺が経路だったのかを知る。 驚いたことに通った千束小学校のすぐ近く、今も橋台や盛り土が残る小高 い盛り土周辺が線路跡&駅跡で、いつもドロだらけで遊んだ場所だった。 小学校の脇には日本で一番最後にできた「城」として、また最も短期間で 廃藩置県(明治2年開城のため2年未満)で終焉を迎えたことでも著名な 「旭城跡」があり、この附近一帯の地主だった父の実家はこの旭城を壊し た資材で建てられた家。曾祖父が私設した「草競馬場」跡地が後の小学校 となっていることから、戦前の昭和初期には最寄りの塔田駅から草競馬場 へ人々が集まっていた情景が浮かぶ。 中学へ毎日歩いて通った道が、同じく鉄道跡だったこと。在校時、建て替 えられる前の木造校舎があった敷地の一角から自転車置き場にかけてが駅 ホームで、県道沿いのスーパー前まで機関庫があったことなど…。 こうなると、完璧にハマった状態。ことあるごとに、周辺の痕跡調査を行 った。古い地図も手に入れたいし、何でもいいから宇島鉄道のことが載っ た本など記念物がほしい。気がつくと生来の収集癖も手伝い、観光地図や 鳥瞰図、絵葉書なども探しまくった。最近になりネットオークションを活 用するようになっても、未だに「宇島鉄道」そのもののパンフレットなど には巡り会っていないが、近隣の某歴史資料館に当時の路線図などがある ことも最近やっと判った。 余談だが、これはかの宮脇さん編纂の廃線跡シリーズでも路線跡がないと されている未確認部分だったことも手伝い、一気に地図研究熱が加熱した ものだ。もともと小さい頃から地図帳が大好きで、ミニカーを遊ばせる道 や町並みをチラシの裏に描いては、友達と一緒に遊んだ。遊びを発明する 係のようなものだったから、創造できる「地図」にはすぐに馴染む。 そしてその思いは、なんとそのまま地図会社ゼンリンの印刷部門独立に併 せての転職にまで繋がっていったのだ。単なる「地図好き」が仕事でも地 図と関わることになるきっかけ、それが鉄道地図(廃線跡地図)だった。 大型書店に行けば、鉄道趣味のコーナーは必ずある。その中でも鉄道地図 のコーナーが充実している書店は誘惑の泉(笑)。最近では自覚して月に 1度しか大型店へ行かないようにしたのだが、行けば必ず新刊数冊と関連 書籍のまとめ買い。別冊歴史読本の「鉄道古写真帖」はマイナー線の写真 も豊富でその中でも最近一番のお気に入りだ。 ゼンリングループ在籍中、何度か東京への転勤希望それも具体的に地図マ ガジン「ラパン」に関われる部署を希望したことがあった。雑誌は休刊し その前に独立したため、願いは叶わなかったが、ライフワークでと始めた このメルマガの母体「地図の資料館」は、奇しくも古巣の開設する「地図 の資料館」と同姓同名(笑)。同社創業者一族の出身地、宇佐市麻生で生 まれた私は、やはり地図に縁があるのだと勝手に納得した。 Write: 益田 ◎廃線となった鉄道路線が描きこまれた鳥瞰図は観ているだけで創造力が 広がります。まだまだ画像をアップしたものは少ないですが、リストを 更新しました。福岡や香川は画像も多くアップしています。 http://www.asocie.jp/map/oldmap/oldmap_top.html (2003年6月21日記) |
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