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戦前の鳥瞰図を眺める楽しみ(その1)
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 2002年春に惜しまれながら休刊した地図マガジン「ラパン」を通じて、戦前
 の「観光ブーム」を創り出した鳥瞰図絵師・吉田初三郎画伯の研究プロジ
 ェクトが立ち上がり、その成果として昨年10月に「吉田初三郎のパノラ
 マ地図(平凡社刊)」が発刊されるのと前後してNHK「新日曜美術館」
 でも初三郎が取り上げられ、空想地図・デザイン地図としての戦前の鳥瞰
 図が見直されている。

 地図の資料館でも初三郎をはじめ、金子常光や前田虹映ら鳥瞰図絵師の印
 刷折本を少しずつ紹介しているが、これらの作品群を見比べていくと、非
 常に興味深い点が数多く出てくる。

 私事で恐縮だが、筆者は地図会社でデザイン地図や企画地図、イラストマ
 ップ製作にも携わってきたグラフィックデザイナーであったので、初三郎
 らの鳥瞰図が描かれた時代背景もさる事ながら、その製作技法や表現方法
 の変化、タッチ自体の変化がとても興味深い。

 第一人者の初三郎にしても、大正ひとケタ代のそれと昭和にかかる頃とで
 は画風が大きく変化し、画力がさらに魅力を増している。彼の出世作でも
 ある大正10年発刊の「鉄道省旅行案内」には90点以上の鳥瞰図が掲載
 され、北海道から九州までの名所旧跡をエリア毎に紹介しているが、正直
 言って印刷技術の悪さ(版ズレ等)も手伝い魅力に乏しかった。

 しかし改定版として同13年に発行されたものは構図の変化や細部への描
 き込みも功を奏し、また画力の向上と相まって数倍の魅力となって映る。
 同じ時期に、初三郎の弟子から離反した金子常光もその画風は時期により
 大きく変化し、大正期のものと全盛期の昭和5〜12年頃の画風と比べる
 と別人である。

 個人的には、初三郎よりもこの常光の昭和10年前後の画風や、同じく初
 三郎の弟子だった前田虹映の画風が好みで、「吉田初三郎のパノラマ地図」
 で図入りでも掲載されている「人吉温泉 日本三急流球磨川下り御案内」
 は画風も銘も明らかに虹映のものなので、何故初三郎作で紹介されたのか
 知りたくてしようがない(笑)。

 この絵は、今も人吉の旅館パンフレットには表紙扱いで使われているが、
 同じように最近は戦前の鳥瞰図をあえてパンフレットに活用するケースも
 増えているのが嬉しい。例えば、福岡市環境局の「クリーンパーク・臨海」
 のパンフレットがそう。福岡市博物館所蔵の初三郎「福岡市鳥瞰図」が原
 画の色彩そのまま鮮やかに印刷されている。同市博物館には初三郎や虹映
 の鳥瞰図原画が数多く所蔵されていることも付け加える。(K.M)

 ◎平凡社 別冊太陽スペシャル「吉田初三郎のパノラマ地図」
 平凡社のページから全点・目録検索で「吉田初三郎のパノラマ地図」入力
 http://www.heibonsha.co.jp/
 ※この本は増刷なしの模様、店頭にあったら即買い!!

(2003年5月24日記)
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